相続

裁判所から「遺言書検認期日通知書」なる文書が届いたが?

裁判所から郵送で書類が届くと驚かれる方も多いと思いますが、その中で「遺言書検認期日通知書」と題された文書が届くことがあります。令和8年○月○日○時に遺言書の検認期日を開くため、出席する場合には、本通知書及び本人確認書類をもって裁判所にお越しいただきたい旨が記載された文書です。急に届くため、その対応に戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。

遺言書の検認とは、自筆の遺言書を発見した人又は自筆の遺言書を保管している人からの申立てに基づいて家庭裁判所が行う手続です。相続人らに遺言書が存在していることを伝えた上で、期日において、遺言書の形状や日付、署名・押印の状態などを明確に記録に残して、その後の偽造や変造を防止するためになされるものです。つまり、検認は遺言の方式に関する一切の事実を調査して遺言書の状態を確定してその現状を明確にするものであって、遺言書の実体上の効果(有効か無効か)を判断するものではありません。

このように検認期日の通知を受けたとしても、期日に出席するか否かは各人の任意ですし、出席しなかったことによって法律上の不利益はありません。ただし、検認期日は相続人らが自筆証書遺言の内容を知る最初の機会となりますので、可能な限り出席するようにしていただければと思います。

仮にその遺言書の有効性や内容に疑義を感じて効力を争うとしても、そのスタートラインは当該遺言書の存在や内容等を把握することですので、なおさら期日に出席して状況を把握する必要があることになります。

なお、従前は自筆により作成した遺言書は遺言者自らが保管するものとされておりましたが、近年の法改正により、自ら保管することなく、遺言保管所(法務大臣の指定する法務局)に遺言書の保管を申請することができるようになりました。保管申請は遺言保管所で行い、その場で遺言者本人の確認がなされ(併せて方式の適合性も外形的に確認されます。)、保管されることになります。このように遺言保管所で保管されている自筆証書遺言については、公的な確認が既になされているため、上記の家庭裁判所における検認手続も不要とされております。

新設された遺言保管制度が定着すればそれだけ検認も少なくなることが想定されますが、しばらくは検認手続の件数も維持されるものと思います。「遺言書検認期日通知書」なる文書が届いた際の参考になれば幸いです。

江崎辰典

パートナー弁護士 大阪弁護士会所属

略歴
佐賀県出身
平成14年 三養基高等学校卒業
平成18年 立命館大学法学部卒業
平成20年 立命館大学大学院法務研究科法曹養成専攻修了
平成22年 弁護士登録・弁護士法人飛翔法律事務所入所
平成29年 同事務所のパートナーに就任(現職)

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